司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。元会社員。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

余は如何にして予備試験1年合格者となりし乎

【読むとよいタイミング】勉強開始前

 

 当ブログに関しては、Googleさんが、毎月、「あんたのところのサイト、このワードでの検索結果からの流入が多かったよ」とメールで教えてくれます。最近、Googleで「予備試験 1年合格 ブログ」と検索すると、上から2番目に表示されるようになったそうです。

 しかし、当ブログには「予備試験 1年合格 ブログ」に必要なものが決定的に欠けています…それは、体験談です。

 今まで、なんとなく体験談を語るのキモいなあ…と思っていたので、本の紹介をメインにしていました。が、なんとなく気が変わりました。「どうやって1年で受かったの?」とか訊かれても、だんだん思い出せなくなってきたんですよね。というわけで、覚えているうちにあれこれ書いておこうと思うようになりました。

 別にnoteの有料記事を売りつけようとしているわけではないので、刺激的なことや気分が良くなるようなことを言うするつもりはありません。ひょっとしたら、絶望的に退屈な体験談になるかもしれません。まあ、試験勉強なんて絶望的に退屈なものだったりもします。

 ちなみに当ブログはどこまで読んでも無料です。表現行為には自己実現の価値と自己統治の価値がありますからね。読んでもらえることが一番の報酬です。

(pixabayからのイメージ画像)

目次

予備校に申し込む

 私はそもそも法律の条文なんて一度も読んだことありませんでしたが、いろいろあって、司法試験を受けることに決めました。

 とりあえず決めたものの、何から手をつけたらいいのか見当もつかない状態でした。しかし、ふと、大学時代、国家公務員を目指していた友人が「伊藤塾は最高だぜ。講義動画が2倍速で観られるからな」と話していたことを思い出しました。

 それまでの人生で予備校に通ったことがなかった私は「講義動画が2倍速で観られるなんてステキ!」と思い、伊藤塾のガイダンスに行ってみることに決めたのでした。

 今思えばアホみたいな話ですが、案外、アホみたいなきっかけで人生が大きく変わったりするものです。伊藤塾に行っていなかったら、そして伊藤真に出会っていなかったら、私はいまだに司法試験に合格できていなかったと思います。

 

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伊藤塾を選んだ理由

合格体験記を読む

 予備試験は全受験生の97%近くが落ちる試験なので、普通の受験生と同じことをしていると普通に落ちますが、3%近くが受かる試験なので、合格者と同じことを一所懸命していれば受かります。

 また、試験は相対評価ですし、時間も有限なので、とにかく「やらなくていいこと」を見極めるのが重要だと考えました。というか、目的合理性を突き詰めると、「やらなくていいこと」は「やるべきではないこと」です。

 ということで、私はとにかく伊藤塾の合格体験記を読みあさりました。「たくさんの教材に手を広げるな」とか「同じ問題集を何度も繰り返せ」とか「毎日、暗記の時間を設けろ」とか、合格者はだいたい同じような(そして、絶望的に退屈な)ことを書いていることがわかってくると思います。

 

全体のスケジュールを立てる

 以前にも何かの記事で貼りましたが、私は最初に以下のようなスケジュールを立てました。実際にはコロナで延期になったため、3か月ずつ後ろにずれましたが。

 ちょっとこれだけだと意味わからない(流行りの言葉でいう「解像度が低い」)と思うので、少し解像度を高めたうえで、最終的にどんな感じだったのかを図示します。(これを見るとますます「1年合格」が優良誤認表示にように思えてきますが、まあ、今さら誰も怒らないだろう…)

 ちなみにこの図は、後述の「長期計画」を成形したものなので、「基礎」と書いてあるのが伊藤塾の「基礎マスター」、「論文」と書いてあるのは伊藤塾の「論文マスター」のことです。

 どうでしょう、私は見飽きた表なので何も感じないですが、初めて見た方も、あんまり面白みを感じないのではないかと思います。何も突飛なことはしていません。前の半分で予備校の講座を消化し、後ろの半分で答練や過去問対策を行う、ただそれだけです。

 変なところと言えば、民法の改正があって講義動画の配信が遅れていたため、民法の学習開始が遅くなっていることくらいでしょうか。自由に計画を組めるなら、おそらく民法は早めに手をつけたほうがいいと思います。

 あと、今になって思うのは、民事実務基礎科目(要件事実)をもっと早くに学んでおくべきだった、ということです。要件事実がわかると、民法の論文答案をスッキリ読みやすく書けるようになります。そして何より、自分が何のために民法や民訴法を勉強しているか、という目的がハッキリします。

スケジューリング制度を使う

 私は勉強開始当初からずっと、伊藤塾の「スケジューリング制度」を使っていました。毎月、決められた日時(たとえば、毎月第1週の月曜日の午後6時)に伊藤塾のスタッフに電話をかけて、進捗を報告して、学習計画の相談に乗ってもらう制度です。

 担当者もコロコロ変わるので、毎回的確なアドバイスをもらえるとは限りません(失礼)。ですが、電話よりも重要なのは、電話の前に、「中期計画」と呼ばれる1か月ごとのスケジュール表と、「長期計画」と呼ばれる試験までのスケジュール表を提出する行為です。

伊藤塾ホームページからの引用)

 

 私は提出した「中期計画」を印刷して壁に貼って、毎日毎日、進捗を書き込んでいました。様々な理由で、学習は思うように進みません。学習が思うように進まないと、焦ります。

 しかし「遅れ」が具体的な形で表現されていれば、それを取り戻すために必要な時間を具体的に把握することができるようになります。あとは、遅れを取り戻す期限を決めて、そこまでの日数で割り算するだけです。

 

試験を受けると宣言する

 ここで急に時間軸がぶっ飛びますが、私は司法試験の合格発表後、結果報告を漏らさずにしないといけないと思っていたため、電話・メール・LINEで結果報告する相手のリストを合格発表前に作っていました。

 リストを数えてみたら意外と多くて、52人いました(受験生の知り合いが1人もいないことを考えると、意外と多くないですか?)。

 そこから遡って考えると、少なくとも52人に対して、司法試験を受験することを宣言していたことになります。そうなると、なかなか落ちられないですよね。なかなか落ちられない以前に、絶対に途中で挫折できないですよね。

 個人的な見解ですが、私は、自らに強度のプレッシャーをかけ、見栄と意地を燃料に勉強を頑張るべきだと思っています。ただ、これは結果的に運よく短期で合格できたから言える話であって、本当に落ちていたら、どうなっていたか正直わかりません。

 しかしまあ、いろんなひとに宣言しておくと、いざというときに支えてくれたり、合格したときにすごく喜んでくれたりもします。オススメです。

予告

 今回は試験勉強を始める前のことを書きました。こんな感じで、思い出せたことをだらだらと書いていきます。

 次回以降、「短答学習」「論文学習」みたいな感じで区切って書くかもしれませんし、時系列で書くかもしれません。

 突然飽きてやめるかもしれませんし、自分語りが恥ずかしくなって非公開にするかもしれませんし、仕事で病んで失踪するかもしれません。