司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。元会社員。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

幸運論

 このところ弁護士業務に関する記事ばかり書いていたのですが、働きすぎで弁護士業務がイヤになってきたので、弁護士業務に関係のない話をします。

 かつて何かのブログ記事で「将来的に、運の良さに関する記事なんて書くことなんてないだろう」という趣旨のことを書いた記憶があります。が、最近、運の良さに関する本を読んで面白かったので、運の良さに関する記事を書くことにしました。

 ことあるごとに言っていますが、私はとにかく運が良いです。親からも、とにかく運の良さ(と鎖骨の美しさ)だけは昔から褒められてきました。なので、学生時代からずっと運の良い人生です。大学受験も新卒就活も司法試験も運の良さで乗り切ったと思っています。

 ただし、運が悪いひとでも、運が良いひとになることができるんです。

 いきなり何の話を始めるのか、スピリチュアルに目覚めたのか、働きすぎて頭がおかしくなってしまったのか…と思われそうですが、まあ、そんなに変な話じゃないので、よかったら最後まで読んでみてください。(ちなみに、働きすぎて頭がおかしくなってきた点は認めます。)

(pixabayからのイメージ画像)

目次

科学がつきとめた「運のいい人」

 最近読んだ「運の良さに関する本」というのが、中野信子さんの『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)です。紀伊國屋さんで「売上1位」の場所に積んであったので、買ってみました。

 科学的なのかどうなのかはさておき、運を良くするためのノウハウがわかりやすくまとめられています。すべてのチャプターに「運のいい人は…」で始まる見出しがついていて、全部で37個のアドバイスが紹介されています。

 ちなみに第5章が「運のいい人は祈る」というタイトルでまとめれていて、なんともスピリチュアルなんですが、さらに、脳科学者を自称する著者が「運のいい脳に変えよう!」と主張しているのがなんともスピリチュアルでした。私はスピリチュアルも大好きなので全然大丈夫なのですが、気になる方は気になるかもしれません。

 まあ、気軽な気持ちで読む分にはとても面白い本です。

エピソードトークその1

 この本にひとつ面白い話が出てきたので、自分の話を交えて紹介します。自分は運が良いと思っているとどんどん運が良くなる、という話です。

 私は模試でも本番の試験でも、受ける前に必ずヤマを張ります。必ず。そして、ヤマが当たると「やっぱり自分は運が良いんだなあ」と思います。

 問題はヤマが外れたときです。自分は運が悪いと思っているひとは「やっぱり自分は“運が”悪いんだなあ」と思います。他方、自分は運が良いと思っている私は「こんなに運の良い自分のヤマが外れたんだから、“ヤマの張り方”が悪かったに違いない」と考え、分析を始めます。

 結果、自分は運が良いと思っているひとは、どんどんヤマの張り方の精度が上がっていって、当たる確率が上がっていきます。他方、運が悪いと思っているひとは、ヤマの張り方の精度が上がらないまま、ヤマが外れ続けます。

 なんか騙されたような気がするかもしれませんが、運の良さはそうやって鍛えていくことができます。

運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則

 次に紹介したいのは、ワイズマン博士の『運の良い人、悪い人』(角川書店)です。日本語訳の初版が2004年ですので、この分野の古典的名作と言っていいでしょう。

 私は大学生の頃に先輩から勧められてこの本を知りました。自己啓発本が好きになったきっかけの1冊です(もう1冊の本もぜひ紹介したいのですが、テーマと関係なさすぎるので、またの機会に)。

 この本も厳密に言うと科学的なのかどうなのかわかりませんが、少なくとも、著者自身が統計的手法(数百名規模)を用いて様々な仮説を立てて、場合によっては仮説を検証して、その研究成果をまとめた本です。

 本の副題にある「運を鍛える四つの法則」は、以下のとおりです。

法則1:チャンスを最大限に広げる

法則2:虫の知らせを聞き逃さない

法則3:幸運を期待する

法則4:不運を幸運に変える

エピソードトークその2

 この本の良いところは、とにかくアドバイスが具体的なところです。最初に幸運のスコア測定から始まって、運を鍛えるレッスンがあって、最後には運を鍛えるためのワークショップまで登場します。

 幸運のスコア測定のなかで「行列に並んだとき、前のひとに話しかけてみることがありますか?」という設問が出てきます。なぜこれが運と関係あるんでしょうか。またまた自分の話を交えて解説します。

 私がこの本を読み終えた直後、大学構内のATMに10人くらいの行列ができていたことがありました。素直な私は、前に並んでいた学生に「すんごい列ですね」と話しかけてみました。その方は笑いながら「もう1個のATMに行ったほうが早いかもしれませんね」と言いました。

 構内にもう1個のATMがあることを知らなかった私は、その方にもう1個の穴場ATMに連れて行ってもらうことができました。それ以来、あんまり混んでいない穴場ATMを使えるようになりました。

 黙って列に並んでイライラしていたら、ただのアンラッキーなエピソードで終わったかもしれません。しかし、一言かけてみただけで、ラッキーなエピソードに変わりました。

 知らないひとに話しかけてみることで幸運のチャンスを広げ(法則1)、「もう1個のATM」という些細な情報を聞き流さず(法則2)、それが穴場なのではないかと期待して連れて行ってもらった結果(法則3)、不運が幸運に変わりました(法則4)。

 なんだか書いてて気持ち悪くなるくらい、よくできたエピソードでしたね。

最後に

 当たり前の話なんですが、懸賞って、応募しない限り当選しません。

 しかし、やってみるとわかりますが、案外、応募すると当たるんですよね。最近だと、ギリシャ神話の解説本を読んで感想を送ったら、図書カードが当たりました(ギリシャ神話に興味を持つようなひとは、俗世の懸賞なんて興味がないのかもしれません)。そして「やっぱり自分は運が良いんだなあ」と思いました。

 このエピソードを聞いて、またもや騙されたような気がしたかもしれません。

 結局、私がさっきから話している「運の良さ」というのは、懸賞に応募した後に当選する確率が高いか低いか、という時点の話ではなく、懸賞に応募するか否か、という時点の話なのです。

 前者の話を期待してこの記事を読んでいた方には申し訳ないです。前者の確率を上げるには、徳を積んだりするしかないですが、前世のカルマとかもありますし、なかなか語り尽くせないテーマです。後者の話は現世の意識次第です。

 

 冒頭にも書いたとおり、最近、働きすぎてしんどい思いをしていました(まあ、無事にピークを越えたのでブログを書けているわけですが)。ここには書けない色んなこともあって、今年に入ってから、毎日「なんでこんな目に遭っているんだろう」と思っていました。

 昔、働いていた会社を辞めなくちゃいけなくなったときも「なんでこんな目に遭っているんだろう」と思いました。正直に言うと、さすがに当時は不運だと思っていました。しかし、結局、司法試験に合格して弁護士になれたんだから、幸運な出来事だったんだと思っています。

 というわけで、しんどい今の自分に向けて、不運は幸運に変えることができるんだよ、というメッセージを伝えたくて長々と書いてきました。前回に引き続き、自分から自分に向けたメッセージでした。すみません。

 被告人国選の経験とかも増えてきたので、そろそろ、そんな記事も書きたいなと思っています。