司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

計画的な、あまりに計画的な【追記】

※この記事は、前回の記事の追記です。

article23.hatenablog.jp

 前回の記事で、少しだけ「if-thenプランニング」の話をしました。「毎日論証を思い出すぞ!」と思ってもなかなか実行が難しいですが、「歯を磨いている間は」(if)という条件付けをしておくことで、「壁に貼った論証のタイトルを見ながら論証の中身を思い出す」(then)という行動を導き出しやすくする…というテクニックです。簡単簡単。

 そして先日、むかし撮った実家のチンチラの写真を探していたところ、引越し前の記念(?)に撮った写真が見つかりました。記念(?)に貼っておきます。雑然としたキッチンを隠すため、雑なモザイク処理をしてあります。

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 なぜか「全部の論証を丸暗記してからが勝負だ!」と考えていた私は、1つでも中身が思い出せない論証があったら、ひとしきり思い出す努力をしたのち、必ず論証の内容を確認していました。歯磨きの時間も増えて一石二鳥だと思うのですが、いかがでしょうか?

 この貼り紙、予備試験の口述試験前には次の2枚も追加されました。左側は「弁護士職務基本規程」の重要条文の番号と中身を一覧にしたもので、右側は公判前整理手続の流れに関する図表です。

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 過去に、口述試験の刑事系で「裁定請求」というワードを答えさせる出題があったようです。基本書にも『定石』にも載っていなかったのですが、なぜか法務省のホームページに掲載されている図表にはきちんと掲載されていました。

→ https://www.moj.go.jp/content/000099550.pdf

 なかなかスッキリと整理されている素晴らしい図表だと思うのですが、Google検索からの直リンクで見つけたので、由来が不明です。そして、2016年改正が反映されていないので、刑事訴訟法316条の14第2項の証拠一覧表交付については、書き足しておくことを勧めます。

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(Pixabayからのイメージ画像)

 さて、ここまででもう「追記」としては十分な分量を書いた気もするのですが、前回の記事を公開したのち、書いておきたかったことを思い出してしまいました。「計画」に関する名言です。以下、名言好きの私が趣味で書くだけなので、「名言、響かねえ〜」って方には申し訳ないです。

 

目次

 

フランクリンの名言

 最初に紹介したいのは、前回の記事で取り上げた『やってのける』(大和書房)で紹介されていたものです。“Time is money.”など、名言製造機として有名なベンジャミン・フランクリンの言葉。(法律を勉強しているひとには、アメリカ独立宣言の起草者と言ったほうが適切ですかね。)

準備を怠ることは、失敗するための準備をするようなものだ。

 …すみません、私はこの「準備」の部分を「計画」と記憶違いしていました。「計画」に関する名言を紹介します、と言っておきながら…

アイゼンハワーの名言

 今度こそ、きちんと「計画」に関する名言です。これはロルフ・ドベリの『Think cleary』(サンマーク出版)で紹介されていたものです。ドベリ氏の書いている部分も含めて引用します。『Think』シリーズをすべて読むほど、彼の本のファンなので…

 米軍の司令官で、のちに大統領になったドワイト・アイゼンハワーはこんなことを言っている。「計画そのものに価値はない。計画しつづけることに意味があるのだ」。

 大事なのは「完璧な計画を立てること」ではなく、「状況に合わせて何度でも計画に変更を加えること」。

 変更作業に終わりはない。どんな計画も、遅くとも自国の軍隊が敵とぶつかる頃には通用しなくなってしまうと、アイゼンハワーにはわかっていたのだ。

 また「壁に貼る」話で恐縮ですが、私は毎月、月間予定表を壁に貼って、1日ごとに解いた問題や解けなかった問題を書き入れていました。私の場合、片頭痛の発作が来ると文字が読めなくなるので、当然のように計画が狂います。時には泣きそうになりながら、「計画は修正するためにあるんだ…」と言い聞かせていました。

ロダンの名言

 もうひとつ紹介したいのは、天才彫刻家・ロダンが言ったとされる言葉です。私はこの言葉が好きすぎて、予備試験の勉強を始めた当初から、スマホの壁紙にこの言葉を表示させて毎日眺めていました。

天才? そんなものはない。

ただ勉強と方法、そして不断に計画することだ。

 この言葉、私みたいな平凡なペンギンが言っても悲しいだけですが、これを正真正銘の天才が言っているというところが素敵ですよね。

 この言葉は『続・働く理由』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本で紹介されているものです。少し古い本ですが、私は大学生の頃、とにかく働きたくなかったことから、書店で見つけた『働く理由』という本を買いました。それでも働く理由が見つからなかったので『続・働く理由』まで買ってしまった…という次第です。

 働く理由はいまだにわかりません(一生わからない気がします)が、少なくとも「働くしかないか〜」という気にさせてくれる良書です。

蛇足

 予備試験の勉強を始めてから2020年1月までの間、上記ロダンの言葉をスマホの壁紙にして毎日眺めていたのですが、同月以降、司法試験が終わるまでの間は別の言葉をスマホの壁紙にして眺めていました。

「自分に同情するな」と彼は言った。「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」

 この言葉が登場するのは、村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社)下巻。ここでいう「彼」というのは、寮の先輩である永沢さんのこと。先輩が後輩の「僕」に対して言ったセリフです。(この「自分に同情」って、よく考えるとすごく不思議なワードですが…)

 2020年1月に「いやなこと」があって、一度、その年の予備試験の受験をやめようと思ったことがあります。結局その後、友達や先輩に支えてもらいながら受験することになるのですが、その時に決めたのが「自分に同情しないこと」でした。誰に強制されたわけでもなく、自分で選んだ道ですからね。

 

 ここから先は、蛇足の蛇足の蛇足です。蛇足(←この記事)の蛇足(←スマホ壁紙の話)の蛇足です。「自分に同情するな」の前のスマホ壁紙は、長い間、以下の言葉にしていました。

あんた以外にも

人には気持ちがあんのよ

 この言葉は、いくえみ綾さんの『POPS』(集英社)という漫画の4巻に出てくるセリフです。主人公の薬子に対して、安友という脇役が女子トイレで言い放つ一言。このあと、殴り合いのケンカになるわけですが…

 ついつい人生のことを「自分が主人公の物語」だと思い込みがちですが、実際はそうではありません。物理的に他者が存在し、他者の意識が存在します。そのことに無自覚でいると、ひとをいたく傷つけてしまいます。こういうことを物語に教えてもらえるのってすごいことですよね。

 いくえみ綾の凄味は他者の痛みの描き方である…みたいなことをいつも熱弁するのですが、誰にも共感してもらえたことがなかったのでここに書き散らしてみました。すみません。

 

 では、司法試験を終えた今、次はどんなスマホ壁紙にしているか?というと…いや、もうやめます。すみません、自分語りが多くなってしまいました。