司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

計画的な、あまりに計画的な

【読むとよいタイミング】勉強開始直後/勉強が捗らないとき

 

「よく頑張った。リーガルペンギン、お前は凄い子だ……」(鱗滝左近次)

 先日、司法試験の成績通知書が届きました。A評価4つ、B評価3つ、総合400番台の、特に話題性のない順位でした。(個人的には、天才でもないのにゼロから2年でよく頑張ったな〜、と思っています。)

 そもそも再現答案を「他所には提出しない」という約束で某予備校に提出しているため、ここで晒していません。その状態で成績通知書だけを晒しても何の参考にもならないと思うので、現時点で晒す予定はありません。

 ただ、憲法が、予備試験の「F評価」から、3か月で「A評価」まで上がったので、何か参考になる情報が書ける可能性があります。3か月間で読んだ本とか、出題趣旨の読み込んだ部分とか、また別の記事で書くかもしれません。(憲法って地雷が多いイメージです。)

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(Pixabayからのイメージ画像)

 このブログはもともと、私が司法試験のために読んだ、広い意味での「勉強法」に関する60冊の本についての情報をまとめる目的で始めました。

 もっと成績が良かったら、アカウント名に「総合●●位」とか入れて勉強法について永遠に語っていたかったのですが、残念ながらいつまでも引きずっていられないので、そろそろ一区切りをつけようと思います(そもそも紹介したい本が残りわずか…)。その後のことは、未定です(趣味の書評ブログにしようかな…)。

 というわけで今回は、なんとなく話がまとめにくいなあ、と思って後回しにしていたテーマ「計画」です。つまるところ精神論ですが、できる限り具体的な話を書くように心がけます。

 

目次

 

『GRIT やり抜く力』

 まず、「GRIT」って聞いたことがありますか? 歯を食いしばるイメージから「やり抜く力」と翻訳されることの多い言葉です。

『GRIT やり抜く力』(ダイヤモンド社)の著者アンジェラ・ダックワース氏は、教師から転職した心理学者です。彼女が「GRIT」について語る動画は、2021年9月現在、TED公式サイトで2500万回近く再生されている有名な動画なので、観たことがあるひとも多いかもしれません。

参考:Angela Lee Duckworth: アンジェラ・リー・ダックワース 「成功のカギは、やり抜く力」 | TED Talk

 この動画のなかでも、彼女は成功のためにはIQよりも「やり抜く力」が大事だと話しています。少し前に、私はIQよりも「メタ認知」が重要だ、という話を紹介しました。「どっちやねん!」と言いたくなる気持ちもわかりますが、少々お待ちください。

 動画のなかでは解説されていませんが、この本のなかで、やり抜く力を育てるために最も重要な要素は「意図的な練習」(deliberate practice)だと言っています。

 彼女は様々な事例なども紹介しながら「意図的な練習」について説明していますが、私は、ざっくり言うと「PDCAサイクルを回すことが重要だ」と理解しました。PDCAとは、計画を立てて(Plan)、実行して(Do)、結果を検証して(Check)、カイゼンしましょう(Act)…という、会社員になると研修で伝授されるビジネススキルです。

 仕事だと「PDCAを回していない」なんて言うと晒し首にされそうな重罪ですが、どうでしょう、勉強でもPDCAサイクルを回すことができていますか?

 私が先ほど「メタ認知」の話を持ち出してきたのは、このPDCAサイクルを回すためにはメタ認知が欠かせないと考えているからです。自分を客観的に見て、「やるべきことをやっているのか?(あるいは、やる必要のないことをやっていないか?)」ということを考えながら計画を立ててみると、「やり抜く力」が鍛えられると思います。レッツ、意図的な練習!

『やってのける』

 続いて紹介する『やってのける』(大和書房)も「GRIT」の翻訳かと思いきや、「SUCCEED」の翻訳です。「GRIT」が「やり抜く」で「SUCCEED」が「やってのける」です。覚えましたか?(冗談です)

 この本でも、前記『GRIT』と同様、物事をやり抜く力を鍛えるための様々な方法が紹介されています。なかでもこの本では、以下の引用部分にみられるように、計画を立てることの重要性が強調されています。

 もし、本書の内容のなかから、目標達成のためのアドバイスを一つだけ選べと言われれば、わたしは「いい計画をつくること」と答えます。

 有名なところだと「if-thenプランニング」の話。私も、歯を磨くとき(if)には、壁に貼った論証のタイトルを見ながら論証の中身を思い出す(then)というルールを設けて毎日毎日繰り返していました。

 あと私がおもしろいと思ったのは「夏休みの宿題」の話です。かなりざっくり紹介すると、アメリカで大学生を対象に「夏休みの宿題を実行させるにはどうしたらいいか?」を調べる実験が行われました。様々な方法が試されましたが、最も効果が高かったのは「いつ・どこで宿題に取り組むか」を紙に書かせることだった…という話です。

 おいおい計画ぐらい誰でも立てるだろ〜と思っている方にこそオススメしたい本です。コーヒーにも「おいしいコーヒーのいれ方」があるように、計画にも「いい計画のつくり方」というものがあるのです。

UCLA医学部教授が教える科学的に証明された究極の「なし遂げる力」』

 最後に紹介するのは『UCLA医学部教授が教える科学的に証明された究極の「なし遂げる力」』(東洋経済新報社)です。「やり抜く」「やってのける」に続いて今度は「なし遂げる」です。ニホンゴ ムズカシイ。

 この本では「成し遂げる力」を養うために必要なポイントを、7つに分けて紹介しています。その1つ目が「目標を小さく刻む」です。●年の予備試験に合格するゾ、と決めたら、●月までに過去問演習を終わらせるゾ、●週までに民法を終わらせるゾ、●日までに2021年度分の問題を終わらせるゾ…と、細かく目標を設定して計画を立ててみましょう。

 先ほど「メタ認知」の話を持ち出しましたが、この本でも著者が関連することを述べています。該当部分だけをピンポイントで抜粋してみます。

 つまり、問題は星の数ほどあり、解決策も星の数ほど必要なように思える。気が遠くなるような話だ。

 だが、私たちが知る必要がある違いは1つだけだ。あらゆるタイプの行動のあいだにある重要な違いは、たったの1つだけなのだ。

 それは、人がどれくらい自分の行動に自覚的で(その瞬間に自分が何をしているかを意識しているか)、その行動を自分の意思でストップできるかどうかだ。

 なお、メタ認知を鍛えるための方法として、私は瞑想をオススメしています。

article23.hatenablog.jp

(かなり話が とっ散らかってきましたが、個人的には、この本のなかで、某有名バンドの結成秘話が一番記憶に残っています。バンド名を秘密にして読み進めさせるような仕掛けになっているので明かせませんが、まさかこの本の著者が、あのバンドのバンド仲間だとは…という話です。ネタバレしたい…)

まとめのような、まとめていないような話

 というわけで、今回のテーマは「計画」と見せかけて「GRIT」でした。精神論の部分は、どうしても著者以上の情熱をもってお伝えすることができません。具体性を持たせるため、「計画」という切り口から、3冊の本の内容を紹介してみました。

 ちなみに、いずれの本においても、「計画」より前のステップとして「目標設定」が重要だということも熱く語られています。最初は、そっちにフォーカスしてまとめたほうがいいんじゃないか…とも思いました。

 しかし、この記事を読んでくれている読者の方々は、司法試験にせよ予備試験にせよ、はたまた他の試験にせよ、罰ゲームみたいな世界に自ら進んで足を踏み入れている以上、おのおの、よんどころなき事情を抱えているんだろうと推察しています。そのため、あえて「目標設定」のことには触れませんでした。

 まあ、だからと言って「目標設定」の話が無益だとかつまらないというわけでは決してないですし、他にも様々なテクニックが紹介されていておもしろかったです。もし興味がわいたら、ぜひ直接、著者の情熱を味わってみてください。