司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。元会社員。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

四度目のサイトマップ

サイトマップ(2024年11月現在)


※以下、雑記です。

 今月、司法試験の合格発表がありました。もしこの文章を読んでいる方のなかで合格された方がいたら、本当におめでとうございます。

 どうでしょう、まだ喜びしか感じない時期でしょうか。それとも、少しずつ修習や就活のことを心配し始め、ひとによっては、法曹になった後のことに不安を感じ始めている頃でしょうか。

この道を行けば どうなるものか
危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けば分かるさ

 私は弁護士登録以来、ブログやTwitterで、弁護士業務に関してネガティブな発言を繰り返していたように思います。まあ、1年目〜2年目前半は本当にしんどかったのでどうしようもないんですが、2年目中盤になって、だいぶ心境が変わってきました。

 先ほど引用したのは、よく行くカレー屋さんの壁に飾ってあった言葉です。迷わず行けよ、行けばわかるさ。私は1つめの事務所を辞めてボロボロになってしまいましたが、歩みを止めなかったことで、ようやくいろんなことが少しずつわかるようになってきました。

 当たり前なんですが、仕事というものは、徐々に慣れてきます。失敗体験を1つ1つ覚えて、対処法を書き留めておくだけで、いろんな危険に先回りできるようになります。それでも危険だらけの職業ですが、少しずつ少しずつ、防げる危険が増えていきます。

 …なんて油断しているうちに背後から刺されるかもしれません。どこまで行っても危険だらけの職業ですからね(結局、ネガティブな発言に落ち着く)。


 少しだけ司法試験合格者向けのメッセージのようなものを書いてみました。感傷的すぎましたね。

 例年、司法試験の合格発表があった月に、当ブログのサイトマップ(上記リストのことです)を更新しています。数えてみると、この1年間で6つの記事しか更新できていなかったようです。去年より生産量が1つ減りました。

 誰も気にしていないとは思いますが、2〜3か月ほど、しばらくブログもTwitterも更新していなかった時期があります。その理由は、2025年の春に独立開業することにして、あれこれ準備していたからです。

 …すみません、嘘です。今の事務所を辞めることが決まっただけで、まだ何の準備もしていません。

 というわけで、おそらくこれからは、独立開業に向けたテーマで記事を書くことが多くなるかもしれません。このままダラダラずるずると独立開業して、特に何の記事も書かないかもしれません。

 最近、独立開業したばかりの弁護士と話す機会がありました。その先生は予備校講師もしていて、やっぱり固定の収入があると安心するよ、と教えてくれました。私ももし何かご縁があれば、予備校講師業を始めて、また受験の話ばかりするブログに戻るかもしれません。



(Pixabayからのイメージ画像)

 これも毎年恒例なのでやっておきます。訪問者とページ閲覧の集計。最近、主張書面に表を挿入するのがマイブームなので、表にしてみました。数字はブログ開始時点からの累計です。

  訪問者数 ページ閲覧数
2021年9月時点 約1,100名 約6,300
2022年9月時点 約10,200名 約42,900
2023年11月時点 約25,000名 約85,800
2024年11月時点 約40,400名 約124,800


 6記事しか更新していないわりにはちゃんと増えているんですね。そしていつの間にかPVが10万を超えていました。数字が大きすぎて実感はわかないですが、Twitterのよくわからん「インプレッション」と違って、率直にうれしいです。


 次は何について書こうかな。

 下書き(書きかけ)の記事の個数を数えてみたら13個もありました。記憶から完全に失われる前に書き終えて公開したい。

 他方で、新たに、独立開業に向けた話だけでなく、景表法検定の話も書きたいし、民事の尋問の話も書きたいし、被告人国選の話も書きたい。二回試験についてツイートした内容もまとめたい。昨年同様、「弁護士2年目を終えて」みたいな話も書きたい。

 …ToDoリストを作っているみたいで滅入ってきますね。

 少しずつ書いていきますので、また新しい記事が出せたら読んでもらえるとうれしいです。これからもよろしくお願いします。


弁護士の狂気を生き延びる道を教えよ

【読むとよいタイミング】弁護士登録前〜弁護士1年目くらい

 

 以前、弁護士1年目を何とか生き延びたことを記念して、「精神的に大丈夫になるためにはどうしたらいいか?」について考察する記事を書きました。(なんだかんだ、1年9か月、生き延びました。)

article23.hatenablog.jp

 その際は、とにかく精神論、というか、私見しか書きませんでした。

 このブログは基本的に本の紹介をするブログなので、今回は「精神的に大丈夫になるために役立った本」を5冊、紹介します。文字数多めです。

(pixabayからのイメージ画像)

目次

『脳を鍛えるには運動しかない』

 しつこいですが、結局、一番メンタルの健康にプラスの効果があったのはランニングだったと思っています。

 このブログで何度も紹介している『脳を鍛えるには運動しかない』(NHK出版)。 最近、装丁をリニューアルして、本屋さんに平積みされているのを見かけました。2009年発売の本にしては珍しいですよね(それだけ名著だということを言いたい)。

 何度も書いていますが(何度でも書きますが)、決して「走って気分爽快!」というフィーリングの話をしているわけではありません。本の副題にあるように「脳細胞を増やそう(それによって思考回路の逃げ道を作ろう)!」という話です。

 受験生の頃や修習生の頃は、週に3〜4回、ランニングをしていました。1つめの事務所を辞めた直後は、メンタルが危機すぎて3か月以上ランニングできませんでした。ランニングできるようになってからはメンタルも安定してきて、今でも週に1回はランニングするようにしています。

『(超)筋トレが最強のソリューションである』

 ランニングの次は筋トレです。本当に勉強法オタクの人間が書いているブログなのか、と怪しくなってきますね。

 紹介するのは、Twitterの有名人Testosteroneさんと、スポーツ科学の研究者である久保孝史さんの共著『(超)筋トレが最強のソリューションである』(文響社)です。

 率直に言うと、筋トレって、ランニング等の有酸素運動に比べるとそんなに研究が進んでいないのかな、という印象を受けました。

 しかし、それを乗り越えるTestosteroneさんの文章力によって、筋トレのモチベーションは確実に高まります。筋トレさえしていれば、すべての悩みが吹き飛ぶような気にさせてくれます。

(とてもポップな本なので、章ごとにショート漫画が掲載されています。これが進研ゼミに負けず劣らず、ことごとく「筋トレですべてうまくいく!」というドラマツルギーに支配されていて、おもろいです。)

 私がこの本を読んだのは、今年3月。それ以降、毎晩、寝る前にバイシクルクランチ(仰向けになって両足を上げ、自転車を漕ぐように、右肘と左膝をタッチ、左肘と右膝をタッチ、と交互に動かすトレーニング)を100回しています。

 メンタルが安定してきた時期と重なっているのがたまたまなのか、筋トレのおかげなのか、いまいちハッキリしません。筋トレのおかげだと信じて(Testosteroneさんを信じて)、今後も続けます。

『シンプルで合理的な人生設計』

 続いては、以前の記事でも紹介した本、橘玲さんの『シンプルで合理的な人生設計』(ダイヤモンド社)です。

 この本で紹介されている、相手の言葉に「脅威状態」で反応しない大きな人的資本(高い専門性)こそが「心理的安全性」をもたらす、という考え方にだいぶ支えられました。

 実際、1年目は、何か言われると即座に「すみません!」モードに入っていました。しかし、ちゃんと知識を蓄えると、間違ったことや針小棒大なことを言われたときに「huh?」「huh?」と思えるようになります。

 弁護士2年目になると、いろんなことが「2周目」になってきます。それでも定期的に初めての手続とかに遭遇することになって、そういうときには心理的安全性が揺らぎます。

 つくづく、我々の武器(かつ防具)は知識しかないんだ、勉強し続けるしかないんだ、と感じる毎日です。

『ネガティブケイパビリティ』

 次に紹介する本は、精神科医かつ小説家の帚木蓬生さんが書いた『ネガティブ・ケイパビリティ』(朝日選書)です。

 本の副題にあるように、ネガティブ・ケイパビリティとは「答えの出ない事態に耐える力」のことです。

 弁護士は、課題解決(答えを出すこと)こそが仕事です。しかし、世の中には本当に「どうしようもない」物事があります。街弁の仕事をしていると、考えに考え抜いて解決方法を閃く、という解決事例よりも、踏ん張って踏ん張って時間が解決してくれるのを待つ、という解決事例のほうが多いように感じます。

 そして、本当の本当に「どうしようもない」物事にもかかわらず、四六時中、解決方法を考えて心を痛めていると、いつの間にか疲れ果ててしまいます。

 依頼者の課題解決のためにも、自分の心の健康のためにも、弁護士こそネガティブ・ケイパビリティを持つことの重要性が高いのではないでしょうか。

 本の紹介に戻ります。

 著者が精神科医のため、臨床の事例に関する話は、読んでいて直接参考になるような話が多いです。が、冒頭から詩人のジョン・キーツの話が延々続いたかと思えば、終盤には源氏物語の話が延々続きます。あまり実践的な本ではないので積極的にはオススメしづらいですが、読み物として楽しめるような方にとっては面白い本だと思います。

 ちなみに、この本は勝間和代さんの『超ロジカル選択術』(→ リンク)という本で紹介されていたので知りました。本題と逸れるので詳しく触れませんが、勝間さんの本も面白かったのでオススメです。

『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』

 さて、最後の一冊。今回は、この本が紹介したくて記事を書き始めました。前の本とは異なり、ネガティブな感情に対する実践的な対処法が学べる本です。

 タイトルは『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』(筑摩書房)。残念ながら本のタイトルが怪しすぎる(スピリチュアルすぎる)のですが、実際は、ACT(アクト)という認知行動療法の一つを紹介する入門書です。

 認知行動療法は、トラウマの治療なんかで有名になりましたよね。あるいは、蜘蛛嫌いを克服する実験映像をテレビで観たことがあるひとも多いと思います。

 ACTは、その認知行動療法にマインドフルネスの考え方を取り入れて応用したもの、という感じです。

A Acceptance(受容)

C Connect(価値とつながる)

T Take effective action(効果的な行動を起こす)

 すべては紹介しきれませんが、1つの例として「脱フュージョン」という考え方を紹介します。自分に取り憑いてしまった(フュージョンした)特定の考えを、自分から切り離す対処法です。

 例えば、私は「自分は弁護士に向いてない」とメッセージに取り憑かれていました(回数は減りましたが、今でも1日に1回は思っています)。

 脱フュージョンの第1ステップとして、「私は「自分は弁護士に向いてない」という考えを持っている」と口に出してみます。これで少し思考と距離が取れます。

 第2ステップとして、メロディーをつけて「私は「自分は弁護士に向いてない」という考えを持っている〜♪」と歌ってみます。バカバカしいですが、これでかなり思考と距離が取れます。

 第3ステップとして、「ああ、また「自分は弁護士に向いてない」の悲劇の物語が始まったよ」と呆れてみます。ここまで来ると、自分が取り憑かれていた特定の(悪い)メッセージがバカバカしく思えてきます。

 これは一例ですが、この本には、こんなようなテクニックがたくさん紹介されていて、親切にも、ひとつひとつエクササイズがついています。自分で試してみて、効果のありそうな対処方法を身につけることができます。

 まあ、騙されたと思って試してみてもいいんじゃないでしょうか。

 ちなみに、ACTには禅宗の考え方にかなり共通する部分がある…という話もしたかったのですが、文章が長くなりすぎたので今回はやめておきます。(3年前、マインドフルネスについて書いた記事もあります。久々に読んだら意外と面白かったので、よかったら覗いてみてください →リンク

(pixabayからのイメージ画像)

おまけ

 ここから先は半分冗談のつもりで書きます。結局、メンタルの健康を左右するのは現預金なのではないか、という話です。

 最も反省すべきポイントとして、私は修習中「弁護士になったらたくさん報酬がもらえるしょ!」と思い、会社員の頃の預貯金をすべて使い果たしてしまいました。散財し尽くしました。後悔しか残りませんでした。

 実際、1つめの事務所は報酬の良い事務所だったのですが、私はわずか2か月で辞めてしまいました。しかも登録換え(引越し)までしたので、預金がゼロ(というか10万円ほどの債務超過)になってしまいました。

 私のメンタルが一番終わっていたのが、この頃です。食事が喉を通らず、今よりも8キロ痩せていました。

 しかしその後1年間、仕事ばかりしていたおかげで、そこそこの現預金が貯まりました。最近は「まあ、仕事辞めても数年は生き延びられるか」という楽観的な気分で過ごせています。

 とにかく受験生や修習生に伝えたいのは、事務所の内定が出ていても、1つめの事務所をすぐに辞めても大丈夫なくらいの現預金は残しておいたほうがいいよ!ってことですね。お互い、頑張って生き延びましょう。

 

予備試験合格とその不確かな勉強時間

【読むとよいタイミング】予備試験を受けるか悩んだら

 

 先日、母校の大学1〜2年生向けに、自分のこれまでのキャリアについて話すイベントに参加してきました。話していて気づいたんですが、今月、私が会社を辞めてから丸5年が経過したみたいです。

 そのイベントには、文学部から予備試験を受験しようと考えている学生も参加していました。私が「1回で予備試験を通過した」という話をしたら、「何時間くらい勉強したら合格できますか?」と質問されました。

 もともと算数は苦手ですし、計算もしたことがなかったので、「だいたい3,000時間くらいと言われているよね〜」などと答えて、テキトーにお茶を濁しました。

 青年は、テニサーに打ち込んで華やかな大学生活を謳歌するか、あるいは、それを捨てて予備試験に賭けるか、真剣に悩んでいるようでした。もう少し真面目に回答してあげたかったな、という後悔もあって、今回、真面目に計算してみることにしました。

 というわけで、このあと、だいぶ雑談や自分語りが長くなりますが、一応の計算結果は出すつもりなので、よかったら最後まで読んでみてください。

(pixabayからのイメージ画像)

目次

2019年6月のこと

 先ほど、会社を辞めて丸5年、と書きました。

 2019年の6月。会社都合で会社を辞めなければならなくなったものの、たまたま、退職日は6月の賞与が振り込まれた直後でした。賞与と退職金の全額を伊藤塾の授業料に充てたのでよく覚えています(5月から有給消化に入っていたので、勉強を始めたのは5月でしたが)。

 最近ではTwitterのDMで問い合わせをもらう機会も減りましたが、以前は「どうやって働きながら1年で予備試験に合格したんですか?」とか「働きながら勉強時間を捻出するコツを教えてください」という問い合わせをもらうことがありました。

 私は「働きながらゼロから勉強を始めて予備試験を1年合格」したわけではありません。あえて言えば「働かずにゼロから勉強を始めて予備試験を1年合格」しました。

 このあと1日当たりの勉強時間の話をするので、一応、その前提としてハッキリ書いておきました。

2019年5月〜2019年12月

 会社都合で会社を辞めると、失業保険が少し長く支給されます。勤続年数にもよりますが、半年間くらいは、従前のような暮らしが維持できます。

 というわけで、伊藤塾の基礎マスターを受講し終わる2019年5月〜2019年12月くらいまでは、毎日8時間くらい勉強していました。会社員だった頃は毎日14時間くらい働いていたので、ずいぶん楽だなと感じていました。楽だし、楽しかったです。

 他方で、少なくとも週に1〜2回は恋人と遊んでいたので、勉強をしていたのは週に5〜6日間です。

 8時間×5.5日×4週×8か月=1,408時間

2020年1月〜2020年3月

 2020年1月、付き合っていた恋人と別れました。さっさと司法試験に合格してさっさと結婚しよう、という話をしていたのですが、別れたので、無理して予備試験に合格する必要はないかな…と思うようになりました。かわいそうに。

 そうはいっても、働かず、恋人もいないと、日常的には勉強(と趣味の読書)くらいしかすることはありません。だらだらと勉強は続けていて、週に5日くらい、1日4時間くらいは勉強を続けていました。

 4時間×5日×4週×3か月=240時間

2020年4月〜2020年7月

 コロナ禍。

 もう、なんだか同じ世界線の出来事と思えないですが、3月ごろから「お花見自粛」などと言われ始めて、4月には初めての緊急事態宣言が発令されましたね。それに伴い、司法試験も予備試験も延期されることが決まりました。

 より一層、することがなくなりました。加えて、「現預金が底をついたら就職活動でもしようかな」と思っていましたが、どうやらそんな悠長なことも言っていられなさそうな状況になってきました。

 というわけで、この時期は割と真剣に勉強するようになりました。毎日6時間くらい、ほぼ休みなく勉強をしていました。

 別の記事で書いたとおり、この時期は演習書を読んだり(→リンク)、短答対策をしたり(→リンク)して過ごしていて、けっこう楽しかった記憶があります。

 6時間×30日×4か月=720時間

勉強開始〜短答までの合計

 そもそも「1年合格」が優良誤認表示だということは、別の記事で自白しました(→リンク)。2019年5月から勉強を始めて、予備の短答が2020年7月だったので、この時点でもう「1年2か月」です。しかも、まだ予備試験のスタート地点です。

 まあ、その辺は大目に見てもらうとして、ひとまずここまでを集計すると、合計【2,360時間】という結果になりました。これくらい勉強すれば、上位400位くらい(だった記憶)で、短答式試験を通過できることがわかります。

 そうは言っても、予備試験は最後の口述試験まで一気に通過しないと無価値(翌年に繰り越せない、という意味です。)のひどい試験です。というわけで、引き続き「合格」まで集計を続けます。

2020年8月〜2020年10月(短答後〜論文まで)

 短答式試験は自己採点ができますから、通過したか否かが、だいたいわかります。私も短答は通過できそうなことがわかったので、ここからはけっこう必死に勉強しました。

 この頃は、過去問を解いたり、答練を受けたりして、とにかく実践演習を繰り返していました。

 そうなると、講義を聴いているだけでよかった頃と比べて、あんまり長時間は集中力が続きません。1日当たりの勉強時間は、せいぜい6時間くらいでした。

 6時間×30日×3か月=540時間

2020年11月〜2021年1月(論文後〜論文発表まで)

 この期間は勉強時間がゼロでした。別の記事でも書いたとおり、『戦争と平和』を読んで、登場人物の相関図を書いたりして過ごしていました(→リンク)。

 コロナの感染者数が少しだけ落ち着いていて「外食は本来NGだけど、焼肉だったら十分に換気がされているからギリギリOK」みたいな謎の風潮がありましたよね(ありませんでしたっけ)。この時期は、友達とこっそり焼肉を食べに行っていたような記憶があります。

 0時間×0日×2か月=0時間

2021年1月〜2021年2月(論文発表後〜口述まで)

 別の記事でも書いたとおり、私は「論文式試験を通過するなんて思ってもいなかった」ため、口述試験の対策は論文式試験の発表後の2週間で行いました(→リンク)。

 ここまで来たら絶対に落ちられないので、かなりの危機感を持って必死に勉強しました。どんな対策をしたか、という話は、別の記事にわりと詳しく書きました(→リンク)。

 8時間×14日間=112時間

勉強開始〜予備試験終了までの合計

 というわけで、なんとか無事に予備試験に合格しました。

 ここまでを集計すると、なんと【3,020時間】になりました。あまりにうまくいきすぎている話ですが、冒頭で述べた「だいたい3,000時間くらい」というのは、おおむね正しかったようです。

 嘘をついていなくてよかった、と思う反面、せっかく真面目に計算したのにテキトーに答えたのと同じ結果かよ、という徒労感もあります。

(とは言え、この記事もテキトーな記憶だけに頼って書いたものです。過去の日記とかを参照したわけでもないので、ひょっとすると別の記事と矛盾している記述があったかもしれません。先に謝っておきます。すみません。)

(pixabayからのイメージ画像)

2024年6月に思うこと

 別の記事でも書きましたし、たぶんTwitterでもしつこく言ってますが、私は本当に運が良いです(→リンク)。かなり運を味方につけて予備試験に合格したので、この3,020時間に1時間でも足りていなかった落ちていたかもしれないな、と思います。

 他方、これもいろんなところで書いていることですが、私は別に天才でもなければ、特殊能力があるわけでもありません(強いて言えば、手書きで文字を書くのがとにかく遅い)。そんな人間でも、方法を間違えずに勉強すれば、3,020時間で合格できる試験だと思っています。

 

 そうは言っても、結局はひとそれぞれなんじゃないの?と言われてしまうと、私も頷かざるを得ません。天才ならもっと短い勉強時間で済むでしょうし、反対に、方法を間違えたら余計な時間がかかってしまうかもしれません。

 しかし、「テニサーに打ち込んで華やかな大学生活を謳歌するか、あるいは、それを捨てて予備試験に賭けるか?」という大事な判断をする上での1つの参考事例にはなったのではないでしょうか。

 3,020時間。

 勉強はしたくなったらいつでもできますが、若いうちの大学生活は一度しか送れません。朝日のように現れて、夕日のように消えて行きます。悩むくらいなら大学生活を謳歌したほうが後悔が少ないんじゃないか、と、ちょっと真剣に思ってしまいました。

 あの青年にもこの思いが届くことを祈っています。