司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。元会社員。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

予備試験合格とその不確かな勉強時間

【読むとよいタイミング】予備試験を受けるか悩んだら

 

 先日、母校の大学1〜2年生向けに、自分のこれまでのキャリアについて話すイベントに参加してきました。話していて気づいたんですが、今月、私が会社を辞めてから丸5年が経過したみたいです。

 そのイベントには、文学部から予備試験を受験しようと考えている学生も参加していました。私が「1回で予備試験を通過した」という話をしたら、「何時間くらい勉強したら合格できますか?」と質問されました。

 もともと算数は苦手ですし、計算もしたことがなかったので、「だいたい3,000時間くらいと言われているよね〜」などと答えて、テキトーにお茶を濁しました。

 青年は、テニサーに打ち込んで華やかな大学生活を謳歌するか、あるいは、それを捨てて予備試験に賭けるか、真剣に悩んでいるようでした。もう少し真面目に回答してあげたかったな、という後悔もあって、今回、真面目に計算してみることにしました。

 というわけで、このあと、だいぶ雑談や自分語りが長くなりますが、一応の計算結果は出すつもりなので、よかったら最後まで読んでみてください。

(pixabayからのイメージ画像)

目次

2019年6月のこと

 先ほど、会社を辞めて丸5年、と書きました。

 2019年の6月。会社都合で会社を辞めなければならなくなったものの、たまたま、退職日は6月の賞与が振り込まれた直後でした。賞与と退職金の全額を伊藤塾の授業料に充てたのでよく覚えています(5月から有給消化に入っていたので、勉強を始めたのは5月でしたが)。

 最近ではTwitterのDMで問い合わせをもらう機会も減りましたが、以前は「どうやって働きながら1年で予備試験に合格したんですか?」とか「働きながら勉強時間を捻出するコツを教えてください」という問い合わせをもらうことがありました。

 私は「働きながらゼロから勉強を始めて予備試験を1年合格」したわけではありません。あえて言えば「働かずにゼロから勉強を始めて予備試験を1年合格」しました。

 このあと1日当たりの勉強時間の話をするので、一応、その前提としてハッキリ書いておきました。

2019年5月〜2019年12月

 会社都合で会社を辞めると、失業保険が少し長く支給されます。勤続年数にもよりますが、半年間くらいは、従前のような暮らしが維持できます。

 というわけで、伊藤塾の基礎マスターを受講し終わる2019年5月〜2019年12月くらいまでは、毎日8時間くらい勉強していました。会社員だった頃は毎日14時間くらい働いていたので、ずいぶん楽だなと感じていました。楽だし、楽しかったです。

 他方で、少なくとも週に1〜2回は恋人と遊んでいたので、勉強をしていたのは週に5〜6日間です。

 8時間×5.5日×4週×8か月=1,408時間

2020年1月〜2020年3月

 2020年1月、付き合っていた恋人と別れました。さっさと司法試験に合格してさっさと結婚しよう、という話をしていたのですが、別れたので、無理して予備試験に合格する必要はないかな…と思うようになりました。かわいそうに。

 そうはいっても、働かず、恋人もいないと、日常的には勉強(と趣味の読書)くらいしかすることはありません。だらだらと勉強は続けていて、週に5日くらい、1日4時間くらいは勉強を続けていました。

 4時間×5日×4週×3か月=240時間

2020年4月〜2020年7月

 コロナ禍。

 もう、なんだか同じ世界線の出来事と思えないですが、3月ごろから「お花見自粛」などと言われ始めて、4月には初めての緊急事態宣言が発令されましたね。それに伴い、司法試験も予備試験も延期されることが決まりました。

 より一層、することがなくなりました。また、「現預金が底をついたら就職活動でもしようかな」と思っていましたが、どうやらそんな悠長なことも言っていられなさそうな状況になってきました。

 というわけで、この時期は割と真剣に勉強するようになりました。毎日6時間くらい、ほぼ休みなく勉強をしていました。

 別の記事で書いたとおり、この時期は演習書を読んだり(→リンク)、短答対策をしたり(→リンク)して過ごしていて、けっこう楽しかった記憶があります。

 6時間×30日×4か月=720時間

勉強開始〜短答までの合計

 そもそも「1年合格」が優良誤認表示だということは、別の記事で自白しました(→リンク)。2019年5月から勉強を始めて、予備の短答が2020年7月だったので、この時点でもう「1年2か月」です。しかも、まだ予備試験のスタート地点です。

 まあ、その辺は大目に見てもらうとして、ひとまずここまでを集計すると、合計【2,360時間】という結果になりました。これくらい勉強すれば、上位400位くらい(だった記憶)で、短答式試験を通過できることがわかります。

 そうは言っても、予備試験は最後の口述試験まで一気に通過しないと無価値(翌年に繰り越せない、という意味です。)のひどい試験です。というわけで、引き続き「合格」まで集計を続けます。

2020年8月〜2020年10月(短答後〜論文まで)

 短答式試験は自己採点ができますから、通過したか否かが、だいたいわかります。私も短答は通過できそうなことがわかったので、ここからはけっこう必死に勉強しました。

 この頃は、過去問を解いたり、答練を受けたりして、とにかく実践演習を繰り返していました。

 そうなると、講義を聴いているだけでよかった頃と比べて、あんまり長時間は集中力が続きません。1日当たりの勉強時間は、せいぜい6時間くらいでした。

 6時間×30日×3か月=540時間

2020年11月〜2021年1月(論文後〜論文発表まで)

 この期間は勉強時間がゼロでした。別の記事でも書いたとおり、『戦争と平和』を読んで、登場人物の相関図を書いたりして過ごしていました(→リンク)。

 コロナの感染者数が少しだけ落ち着いていて「外食は本来NGだけど、焼肉だったら十分に換気がされているからギリギリOK」みたいな謎の風潮がありましたよね(ありませんでしたっけ)。この時期は、友達とこっそり焼肉を食べに行っていたような記憶があります。

 0時間×0日×2か月=0時間

2021年1月〜2021年2月(論文発表後〜口述まで)

 別の記事でも書いたとおり、私は「論文式試験を通過するなんて思ってもいなかった」ため、口述試験の対策は論文式試験の発表後の2週間で行いました(→リンク)。

 ここまで来たら絶対に落ちられないので、かなりの危機感を持って必死に勉強しました。どんな対策をしたか、という話は、別の記事にわりと詳しく書きました(→リンク)。

 8時間×14日間=112時間

勉強開始〜予備試験終了までの合計

 というわけで、なんとか無事に予備試験に合格しました。

 ここまでを集計すると、なんと【3,020時間】になりました。あまりにうまくいきすぎている話ですが、冒頭で述べた「だいたい3,000時間くらい」というのは、おおむね正しかったようです。

 嘘をついていなくてよかった、と思う反面、せっかく真面目に計算したのにテキトーに答えたのと同じ結果かよ、という徒労感もあります。

(とは言え、この記事もテキトーな記憶だけに頼って書いたものです。過去の日記とかを参照したわけでもないので、ひょっとすると別の記事と矛盾している記述があったかもしれません。先に謝っておきます。すみません。)

(pixabayからのイメージ画像)

2024年6月に思うこと

 別の記事でも書きましたし、たぶんTwitterでもしつこく言ってますが、私は本当に運が良いです(→リンク)。かなり運を味方につけて予備試験に合格したので、この3,020時間に1時間でも足りていなかった落ちていたかもしれないな、と思います。

 他方、これもいろんなところで書いていることですが、私は別に天才でもなければ、特殊能力があるわけでもありません(強いて言えば、手書きで文字を書くのがとにかく遅い)。そんな人間でも、方法を間違えずに勉強すれば、3,020時間で合格できる試験だと思っています。

 

 そうは言っても、結局はひとそれぞれなんじゃないの?と言われてしまうと、私も頷かざるを得ません。天才ならもっと短い勉強時間で済むでしょうし、反対に、方法を間違えたら余計な時間がかかってしまうかもしれません。

 しかし、「テニサーに打ち込んで華やかな大学生活を謳歌するか、あるいは、それを捨てて予備試験に賭けるか?」という大事な判断をする上での1つの参考事例にはなったのではないでしょうか。

 3,020時間。

 勉強はしたくなったらいつでもできますが、若いうちの大学生活は一度しか送れません。朝日のように現れて、夕日のように消えて行きます。悩むくらいなら大学生活を謳歌したほうが後悔が少ないんじゃないか、と、ちょっと真剣に思ってしまいました。

 あの青年にもこの思いが届くことを祈っています。