司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。元会社員。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

FP検定で待つ

【読むとよいタイミング】司法試験後の結果待ち中

 

 先日Twitterを開設し、せっかくTwitter経由で司法試験関連の方々に見てもらえるようになったにもかかわらず、いきなり司法試験と無関係の記事を書きます。すみません。あ、いや、租税法選択の受験生には関連するかもしれません。

 先週末、司法試験後の結果待ち中の暇つぶs自己啓発として、ファイナンシャル・プランニング技能検定3級(FP協会)の試験を受けてきました。私のように、幅広い相談に乗れる「町弁」になりたいと考えている受験生にとっては、とても良い資格だと思います。

 自己採点の結果、学科試験の正答は54問/60問(合格ラインは36問)、実技試験は15問/20問(同12問)だったので、合格しているという前提で書きます。

 知財検定3級の記事を書いた際と同じく、主なテーマは「合格に必要な勉強時間」です。暇つぶしと言っておきながら、同時に、最小限の勉強時間で合格したいというジレンマを抱えて生きています。

article23.hatenablog.jp

 

目次

 

まず、結論は12時間

 FP検定3級は65,000人(知財検定3級は3,000人程度)もの受験者が申し込む、超人気資格です。私があらためて調べる必要もないかもしれませんが、Googleで「FP検定3級 勉強時間」と検索すると、上位3つは以下の通りでした。

 

甲さん: 勉強時間は80〜150時間。2~3ヵ月程度

乙さん: 勉強時間は30〜120時間。1~2ヵ月程度

丙さん: 勉強時間は20時間程度でOK

 

 けっこう幅が大きいですが、勉強時間は「20〜150時間」で、勉強期間は「〜3か月」という相場のようです。私は「12時間」だと結論付けましたが、幅が大きい数字も妥当なものだと考えています。理由は後述します。

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(Pixabayからのイメージ画像)

次に、その内容と内訳

 と、まあ「12時間勉強すれば受かる」と言われてもピンとこないと思いますので、もう少し具体的に中身を見て行きましょう。

 使用した教材は『みんなが欲しかった!FPの問題集』(TAC出版)です。FPの問題集は山ほど出版されていますが、私は簿記の2級を取るときにも滝澤ななみさんの本を使ったので、迷わずこれにしました。滝澤さんの本には「覚え方」が書いてある点が貴重だと思います。

 この問題集を使って、1章につき2時間、5日間かけて勉強しました。(なお、実技試験の問題は、主催者の異なる「FP協会」の分と「金財」の分が両方掲載されていますが、私は前者だけを解いています。)

 

・9/1(水)2時間 ライフプランニング

・9/2(木)2時間 リスクマネジメント

・9/3(金)2時間 金融資産運用

・9/4(土)2時間 タックスプランニング

・9/5(日)4時間 不動産、相続&贈与

・9/12(日)試験当日

 

 時間が余って不安な方は『みんなが欲しかった!FPの教科書』(TAC出版)を読むといいと思います。私も問題集とセットで購入しましたが、結局、数分程度「覚え方」の部分だけを拾い読みして、親戚にあげてしまいました。 

常識で解ける問題その1

 なぜ教科書を読まず、いきなり問題集を解き始めたのか? それは、FP検定が、かなり必要な勉強時間に個人差の出る試験だと思ったからです。(知っている情報を教科書からふたたび得る作業は、なかなか眠くなるので、できれば避けたい…)

 FP検定に興味がわいてきた(けど内容は知らない)方に向けて、チェックリストみたいなものを作ってみました。影響力が大きいと思われる項目から順番に並べてあります。

 

・確定申告をしたことがあるか?

・相続を受けたことがあるか?

・住宅ローンを組んだことがあるか?

・生命保険に加入しているか?

・自動車を買ったことがあるか?

国保の加入手続をしたことがあるか?

国民年金の猶予手続をしたことがあるか?

雇用保険を受給したことがあるか?

確定拠出年金に加入しているか?

 

 これすべてを経験したことがある受験生は勉強時間が12時間も必要ないと思いますし、反対に、まったく経験したことがない受験生は少なくとも20時間くらい勉強時間を確保しないとイメージがわいてこないと思います。

常識で解ける問題その2

 一応、この記事は「司法試験の受験生が、結果待ち中に受ける」という前提で書いています(もちろん、修習までの期間や修習中に受けるにもオススメの資格だとは思います)。

 マークシートとの闘いに明け暮れた歴戦の猛者たちであれば、おそらく何の知識もなくても解ける問題が出題されます。例えば今回の実技試験の問17。かなり省略してありますが、こんな感じです。

Q. 年利2.0%で複利運用できる場合、10年間で350万円を準備するために必要な、1年あたりの積立金額はいくらか? 次の中から適切な係数を使用して算出せよ。

・原価係数 0.82035

・資本回収係数 0.11133

・減債基金係数 0.09133

 たぶん「原価係数なんて聞いたことないから解けないよ〜」とはならないですよね。

 10年間で350万円だから、1年間で35万円。複利運用できるのだから、35万円よりもちょっと少ない金額で済む。そうだとしたら、係数は「0.1よりちょっと少ない数字」にしかなりません。それだけで「減債基金係数」なるものを使用すればいいことが導き出せます。

 どやっ!……って言われても困ると思いますが、すみません、単に自らの受験テクニックを披露したかったことに加えて、もっと真剣に問題を作ってほしいなあ、という悲しみの吐露です。

 

 そもそも学科試験は、○×問題が30問、3択問題が30問ですから、勘で解いても50%正答+33%正答と仮定して25問正解できます。合格ラインが36問ですから、残り11問分。

 ひょっとして、運と常識だけで受かるのでは…? なんて言い出したら本末転倒ですね。手段と目的の倒錯。少し前の記事で「学び」について偉そうに書いていたペンギンと同一ペンギンの記事とは思えない…