司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

瞑想する準備はできていた

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【読むとよいタイミング】学習開始直後/勉強に疲れたら

 

 瞑想すると頭が良くなるのでしょうか? 

 私は2020年1月から1年5か月ほど、(1回目の緊急事態宣言の期間中を除いて)ほぼ毎週、お寺に通って坐禅をしていました。週に1回、1時間ほど、足を組んで静かに座るだけです。

 先ほどの問いについて、結論から言うと「瞑想して頭が良くなったかどうかはわからないけど、良い変化が2つ起きた」と思っています。

 

目次


頭が良くなったのか?

 マインドフルネスの専門家・熊野宏昭さんが出演した『サイエンスZERO』(Eテレ/2016年8月21日放送)では、マインドフルネスによる「脳の活動の変化」と「脳の構造の変化」を紹介しています。(なお、この番組では「マインドフルネス」を、仏教の「瞑想」から宗教性を取り除いたもの、と定義しています。この文章では、座って「瞑想」することをラフに「座禅」と呼称しています。)

 まず、脳の「活動」の変化。わずか3日のマインドフルネスの実践により、大脳全体の司令塔であるdlPFCという部分の活動が活性化することで、脳の活動がコントロールされ、ストレスの感じにくい脳になるそうです。

 つづいて、脳の「構造」の変化。1日45分のマインドフルネスを8週間続けることで、記憶を司る海馬の灰白質が5%大きくなり、反対に、ストレスに反応する扁桃体は5%減少するそうです。

 科学的な知見を薄く紹介してみましたが、結局のところ、私は習慣的な座禅を始める前後で脳のCTを撮って比較したわけではないので、頭が良くなったのかどうかはわかりません。ただ、海馬が大きくなったと信じていたほうが幸せなので、私は海馬が大きくなったと信じています。

 一応、マインドフルネスの本も紹介しておきます。東京大学医学部卒の予防医学研究者・石川善樹さんが書いた『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)は、マインドフルネスの実践方法や、マインドフルネスの導入を促すアプリなどが紹介されています。とても読みやすい入門書です。

良い変化その1 メタ認知が身についた。

 さて、ここからが、私の感じた瞑想の効果です。(※個人の感想です。効果・効能を示すものではありません。効果には個人差があります。効果を保証するものではありません。)

 座禅をしていると、いろんなことが頭に浮かんできます。それをひとつひとつ消して、呼吸に集中します。呼吸に集中しているつもりでも、気がつくといろんなことが頭に浮かんできます。それをひとつひとつ消して行きます。

 それを習慣として繰り返していると、ふだんの生活においても、自分が何を考えているか、ということに対して意識的になります。このように「考えることについて考えること」を、メタ認知といいます。

 なぜ急にメタ認知の話をし始めたかというと、メタ認知が試験勉強において重要だからです。『Learn Better』(アーリック・ボーザー/英治出版)という本では、成績の良し悪しは、「IQ(地頭の良し悪し)」よりも「メタ認知」に依存する、という研究成果が紹介されています。

 考えていることについて考える。私はこれを、脳ミソを外側から手で掴んでコントロールできるようにする、というイメージで捉えています。気持ち悪いですが。

 ふつうに社会生活を送っていると、勉強できる時間は限られています。そうだとすると、通勤・通学の間や、シャワーを浴びている間、寝るまでの間など、これらの隙間時間にどれだけ司法試験のことを考えられるかによって勝負が決まるのではないでしょうか。

 以前、何かの備忘録にも書きましたが、記憶するために重要なことは「想起」「反復」「分散学習」です。

 ぼけっとシャワーを浴びていると、いろんなことが頭に浮かんできます。しかし、「あ、今、自分はどうでもいいことを考えていたな」と気づいて、「今日解けなかった司法試験の問題、ひとことで説明するとどういうことになるだろう?」と考え始めることで、「想起」「反復」することができます。(シャワーくらい、ぼけっと浴びたい気持ちにはなりますが…)

 話の風呂敷を広げすぎました。「瞑想する→メタ認知ができるようになる→隙間時間に勉強できるようになる→試験に受かる」というチャートを描こうと試みていました。

 そして瞑想から話が大きく逸れてしまいました。メタ認知はとても重要な要素なので、書き始めると止まりません。飽きていなければ、別途、メタ認知についての備忘録も残すかもしれません。

良い変化その2 寝つきが良くなった。

 文章全体が長くなってきたので、手短に済ませます。

 座禅を習慣的に行い、脳ミソの活動をオフにすることができるようになってから、寝つきが良くなりました。布団に入り、あれこれを頭に浮かんでくることを、ひとつひとつ消していくと、あっという間に眠りに落ちるようになりました。

 睡眠もとても重要な要素なので、飽きていなければ、別途、睡眠についての備忘録も残すかもしれません。

 

(2021年7月10日追記)睡眠についての記事を書きました。

article23.hatenablog.jp

おまけ

 私の好きな禅語に、「無功徳」という言葉があります。

 時は紀元6世紀ごろ、中国・南北朝の時代です。当時、禅宗は中国でちょっとしたブームになっていたらしく、中国の皇帝・武帝禅宗の振興のために寺院などを積極的に建設していたようです。

 そんな折、インドの高僧・菩提達磨が禅をさらに広めるべく中国に来ることになりました。それまで禅宗の振興に尽力していた武帝は、さぞかし褒められるだろうと期待して「私にはどんな功徳があるだろうか?」と問うたところ、菩提達磨の返答は「無功徳」の一言。

 なんだか笑えるような泣けるようなエピソードです。私は、人に何かをしてあげて、ついつい見返りを期待してしまいそうなときに、この言葉を思い出すようにしています。

 さて、「無功徳」なんて言われて、「座禅するぞ!」という気分を全力で削がれたかも知れません。しかし、まあ、集中して静かに座るだけです。興味がわいたらぜひ実践してみてください。