司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

ぼくは速読ができない

【読むとよいタイミング】勉強開始直後/時間不足に悩んだら

 

 本日は、公認会計士試験の論文式の最終日です。当ブログを公認会計士試験の受験生が読んでいるとも思えませんが、皆様が自らの実力を存分に発揮できたことを願っています。

 さて、かねてより「算数が苦手」と申し上げてきた私がなぜ公認会計士試験のことなんぞ知っているかというと、私の私淑する宇都出雅巳さんが、ブログやメルマガで受験体験記をリアルタイム更新されているからです。

ameblo.jp

 良い機会なので(?)、今回は「速読」について書いてみようと思います。

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(Pixabayからのイメージ画像)

 目次

 

なぜ速読が必要なのか?(長い言い訳)

 突然の自分語りで恐縮ですが、私はナチュラルボーン読書家ではありません。高校1年生の冬、とある事情で膨大な「余暇」が生じたため、本を読み始めました。そういう経緯ですから、ぷちぷち時間を潰すように本を読む、「超」がつくほどの遅読です。

 しかし、司法試験では速読が必須です。なぜならば、司法試験はタイムトライアル試験だからです。特に、予備試験よりも司法試験のほうが時間制限の厳しさを感じました。

 私は文字を書くのが絶望的に遅いので、答案1枚書くのに最大20分ほどかかります。2時間で答案を5枚(たったの5枚)書こうとすると、次のような時間配分になります。

 

・問題文を読む時間 10分
・答案構成する時間 10分
・答案を書く時間 20分 × 5枚 = 100分

 

 公法系第2問(行政法)なんかは、多い年で、問題文3枚、議事録3枚、関係法令4枚、要綱2枚ということがあります(平成28年度)。合計12枚の文章を10分で読もうとしたら、どうしたって速読するしかないのです。(極端な例ですが…)

 文学部卒で「読書が趣味」とか言っておきながら速読の話を書くと、「お前は速読しているのか!」と後ろ指をさされそうで怖いので、言い訳しておきました。(映画評論家が2倍速で映画観ていると言ったらみんな怒りますよね。そんな感じです。)長々とすみません。

『どん速』

 というわけで、本屋さんの「速読術」コーナーに行きました。まあ、とにかくうさんくさい本の多いこと。通常のメディア・リテラシーのある方なら読まないと思いますが、「写真のように一瞬で読む!」とか、「無意識の右脳で読む!」みたいなオカルト本が本当に置いてあるのです。

 まともな本はないかな…と片っ端から手に取ってみて、ようやく見つけました。『どんな本でも大量に読める「速読」の本』(大和書房)です。通称『どん速』。ようやくこの本の紹介まで辿り着きました。

  この本には、いわゆる「速読テクニック」も登場しますが、主要な主張は、知識量を増やすことによって読書スピードを上げよう、というものです。著者の言葉を引用します。

「速読できるようになりたい」と思うのであれば、速読技術を学ぶよりも、とにかく本を読むことなのです。

 これを司法試験の問題文に当てはめるとどうなるでしょうか? 「試験問題を早く読めるようになりたい」と思うのであれば、速読技術を学ぶよりも、とにかく勉強することなのです。

 この文章を読んでいる受験生のガッカリする姿が目に浮かびます。しかしもちろんガッカリさせるために書いたわけではありません。あなたの読むスピードが遅い理由は、時間をかけて読む必要が無い(=知識で読める)にもかかわらず、読み飛ばさずにじっくり読んでいるのが原因だと考えられます。

 これはもう知識で読めるな〜、と判断したら、勇気を出して読み飛ばしてみてください。ふだん基本書や判例を読むときにもそのことを意識してみるだけで、読み飛ばすことへの恐怖心が減り、格段に読むスピードが上がってきます。

 反対に、知識もないのに速読しようとは思わないほうがいいと思います。急がば回れ…なんて言い出したら老人の説教みたいですね。もうやめます。

 

 せっかくなのでもう一冊、宇都出さんの本を紹介します。『ゼロ秒勉強術』(大和書房)です。ゼロ秒解答、ゼロ秒読解、ゼロ秒試験、ゼロ秒勉強という4つの視点から、勉強法の改善を提唱する本です。

 先ほど、「司法試験はタイムトライアル」と書きました。おそらく時間不足に悩む受験生が多いと思います。その際、自分の「書く時間」や「読む時間」は可視化しやすいですが、案外、「思い出す時間」に費やしているという事実は盲点です。マジ盲点。

 さらに、以前長々とシリーズで書いた「口述試験」は、まさに「ゼロ秒」で即答する技術がストレートに求められる試験です。日頃の勉強のなかでも、ぜひ、自分が「思い出す時間」にどれだけ費やしているのか意識してみてください。

『Limitless』 

 もう一冊、速読について書かれた本を紹介します。『Limitless』(東洋経済新報社)です。当ブログでは三度目の登場になるかと思います。しつこくてすみません、この本のハイテンションがけっこう好きなんです。でもおそらく、今回で最後の登場です。

 細かい速読テクニックと、その具体的な鍛え方が紹介されています。その中で1つだけ紹介すると、「サブボーカライゼーションをやめろ」というアドバイスがあります。

 サブボーカライゼーションとは、頭の中で文字を読み上げることです。確かに我々も、小学生の頃から衆前での音読を拷問のように繰り返させられてきましたよね。それによって、無意識にサブボーカライゼーションが染み付いているひとが多いと言います。私もそうです。

 では、具体的にどうやったらサブボーカライゼーションをやめられるか、というと、「声に出して数字を数え上げながら読むこと」です。「いーち、にーい、さーん」と声に出しながら、文章を読むのです。なかなかに滑稽な姿ですが、やってみると案外、文章を「目で読む」ことに慣れてきます。

 …ちょっとうさんくさくなってきましたかね。この辺でやめます。

(ちなみに、別のアドバイスとして、「計測すること」も紹介されています。前回の記事にも「計測マニア」が登場しましたが、この本の著者もなかなかの計測マニアなのではないか…?と私は推測しています。)

蛇足

 最後にちょっと「わかりにくいこと」を書きます。ただの私見です。お前の考えなんぞ聞きたくない、という方は、読み飛ばしてください。

 私はこれまで「速読」に対する、嫌悪感、と言うと言い過ぎですが、なんかちょっと嫌な感情を抱いていました。その原因は何だったのでしょうか? いくつかの速読術の本と接してみて、少しだけわかったような気がします。

 おおかたの速読術のテクニックは、「本を好きじゃないひと」が書いている感じがするのです。本を読みたくない(本を読むこと“なんか”に時間を使いたくない)から、写真のように読んだり、無意識の右脳で読んでやろう、という魂胆が見え隠れします。

(ふたたび映画の比喩で恐縮ですが、ファスト映画なんか観なくても、映画観たくないなら観なければいいのに…という感覚に似ています。映画は観たくないけどあらすじは知りたい、本は読みたくないけど情報は得たい。むむむ。)

 それに対して、今回の記事で紹介した2冊は、「本を好きなひと」が書いた感じがします。もっともっと本を読みたいから、速読する。たくさん本を読むことによって、もっともっと速読できるようになる。この好循環です。

 そういうひとが書いた速読の本は、読んでいても「嫌な感じ」がしませんでした。むしろ私なんかよりも本への愛が強くて、頭が下がる思いをしました。

 まあ、最終的には「好き嫌い」の話でしかありません。今回の記事では批判的なことも書いてしまったので、不快に思われた方がいたら申し訳ありませんでした。先に謝っておきます。